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【中小企業のAI活用】「仕事奪われる」は誤解?現場のリアルな一歩

【中小企業のAI活用】「仕事奪われる」は誤解?現場のリアルな一歩 

なべさん
記事 誰も語らない「中小企業のリアル」

世間ではAIを導入すれば劇的に業務が効率化する」「丸投げするだけで自動的に課題が片付く」といった華々しい言葉が飛び交っています。しかし、現場のリアルな声は少し違います。 

AIって最近よく聞くけど、使い方が今一つわからない」という声を、経営者の方からよくいただくようになりました。一方で「少し怖いし、難しそうだし、とりあえず後回しにしている」という声も多く耳にしております。 

今回はそのような状況を踏まえて「中小企業の皆さまが、AIとどのように向き合っていけば良いか?」というテーマについての記事をお届けしたいと思います! 

中小企業のAI活用、まずは「身近なお手伝い」から 

AIに関するお悩みで一番多いのが、「AIをとりあえずチャットのように使ってはいるけど、本格的な業務には使えていない」という意見です。

AIを導入すれば仕事がとても楽になる、難しいことがあっという間に解決する。そんな言葉を信じてAIを導入してみたものの、チャットのようにしか使えていない…。このような現実に悩む中小企業の方は多い気がします。  

そんな方にはまず、「メールの文章を考えて」などの簡単なからAIに尋ね、仕事を進めていくことをおすすめしています。いきなり「自動化」「業務課題解決」というのはやはりハードルが高く、少しずつ身近な業務からAIに相談をしていくと、身近な業務の中にも効率化できるポイントであったり、他の業務にもつながるような業務改善のアイディアが見つかったりすることがあると思います。 

▲パソコンと向き合いすぎると頭が飽和してくるので、最近は、庭の畑仕事が私にとっての気分転換です。土をいじっていると、なぜかアイデアが浮かんでくるんです 

自社に合うAI探しのコツと、陥りやすい3つの罠 

実は世の中には、たくさんのAIツールが溢れています。高性能なものから、画像などに特化したもの、皆さまの企業にとって、また皆さま自身にとって、必要なAIとは何か? ただ有名だから、名前をよく聞くから、というような理由でチョイスする前に、自社が「どのような身近な業務から楽にしたいんだっけ?」ということを考えながら、少しずつ自社の業務と相性の良いAIを選んでいくことをお勧めします。

このとき、たとえば「提案書の作成」などでAIを活用している時に、「どうもこのAIはしっくりこない…」と感じた場合、その「違和感」を大切にし、別のAIなどを試してみることをお勧めします。そうやって業務ごとにAIを色々と試しているうちに、色々なAIの特徴や、業務における「AI化できるポイント」なども学べるようになってくると思います。 

AIを使う上では気をつけなくてはいけないことが実はあります。今回はその中でも特に大事な3つのことについてお伝えしたいと思います。 

罠①:情報漏洩を防ぐセキュリティの徹底 

これが実は一番気をつけてほしいことです。AIツールに、顧客情報・個人情報・社内の機密情報を入力する際にはとても注意が必要です。特に無料版のツールなど、何も考えずこれらの情報を入れてしまうことはとても危険です。何故なら、ここで入力してしまった情報を、AI自体が、様々な世の中の情報を学んでいく上で、自身の学習のため使われてしまう可能性があるからです。 

それは例えるとAIの脳のような場所に、自社の大切な顧客情報、機密情報が永遠に記憶されてしまうということを意味しています。 

事前に「どんな情報であれば入力して良いか?」「どんな情報は入力してはいけないのか?」というようなルールを、社内で決めておくことが大切です。「オプトアウト」という設定をし、セキュアな情報が外部に漏れないようにすることも可能です。セキュリティに関しては事前に下調べをし、注意してAIを利用するようにするといいでしょう。 

罠②:AIの「嘘」を見抜くダブルチェック(ハルシネーション) 

AIは実は常に正しいことを言っているわけではなく、時々、間違えた答えを教えることがあります。さらに厄介なのが、その間違いをあたかも「正解」のように伝えてくることがあります。 

特に、最新情報・数字・法律・地域の具体的な話などは、AIが間違えやすい情報です。これを「ハルシネーション」と言います。AIが出した情報は、必ずご自身でダブルチェックをする習慣をつけましょう。 

罠③:AIの「同調」を疑う勇気 

AIは会話の中で、「あなたの言っていることは正しいですよ」と言いやすい傾向があります。

「この企画いいと思う?」と聞けば、大体「いいですね!」と返ってくる傾向があります。これは、人間のパートナーとして、使ってくれるユーザーに対して、そのユーザーの思考回路を一生懸命学ぼうとするあまりこういう傾向になるようです。 

AIに相談するのはよいことですが、「AIが賛成してくれたから大丈夫」という思考は危険です。批判的な意見を引き出したいときは、「この企画の弱点や問題点を挙げてほしい」と具体的に指示を出してください。 

「AIに仕事が奪われる」は本当か?現場から見える真実 

最後に、よく語られる「「AIが普及すると仕事がなくなる」というテーマに関して触れたいと思います。単純な繰り返し作業は、確かにAIに置き換わっていくと思います。ただし、AIが自動でやってくれる」ようにするためには、まずその業務がきちんと整理されていなくてはいけません。その業務の整理はこれからも人間が行なっていかなくてはいけないため、しばらくは人間の役割もあると私は考えています。 

例えばこういうことです。「毎月の請求書処理をAIに自動化したい!」と思ったとしましょう。でも、「いまその処理、どんな手順でやっていますか?」と聞くと、明確な答えは返ってこない。手順はすべて、担当者の頭の中。それを整理せずにAIにやらせようとしても、うまくいきません。 

つまり、AIが活躍するためには、まず「人間が業務を整理する」という作業が必要不可欠なのです。ここはAIはやってくれません。AIに「うちの業務を整理して」と言っても、社内の実情は知らないので、的外れな答えが返ってきます。 

▲最近、地域の消防団に参加しました。地元の中小企業経営者の方々とも一緒に活動することが多く、こういう場での関係性がいつも仕事のヒントをくれます。地域のために、一緒に頑張っていきたいと思っています 

業務を整理する力、つまり「頭の中を構造化していく力」は、これからの時代においても人間の強力な武器となります。AIが発達していっても、なお私たちは「考える力」「整理する力」をしっかり持ち、AIと向き合っていかなくてはいけないのだろうと思います。 

そして、その人間がやらなくてはいけない事とも向き合いながら、AIを活用していくこと。それこそが、AI活用において最も大切な考え方なのではないかと思います。 

編集者 なべさん

株式会社KDDIウェブコミュニケーションズ 所属 / メディア連携&協業推進担当

現在、故郷福島県でリモートワーク中です。高校卒業後、大学生の頃から社会人時代を10数年首都圏で過ごしてきました。ITシステム会社、リクルート、Lancers、などで中小企業の皆様に対するビジネスを行い、東日本大震災、妻の出産、子育てがきっかけとなり故郷福島県に戻ってきて働いています。