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誰に、何を、どう伝える? ターゲットの心に刺さる「営業トーク(構成)」の作り方(第3回) 

ヤマダ
記事 ビジネスを加速させる「戦うホームページ」の育て方

こんにちは、ウェブコムアカデミーのヤマダです。 
前回(第2回)では、「なんとなく」の運用を卒業するために、まずホームページのゴールを具体的に設定しましょう、というお話をしました。「お問い合わせを増やす」「採用エントリーを増やす」「サポートの手間を減らす」——どれか一つでも目標が定まった方は、大きな一歩です! 

さて、ゴールが決まったら、次に考えるべきことがあります。それは、「誰に・何を・どう伝えるか」、つまりホームページの「中身=コンテンツ構成」です。 

「コンテンツ構成なんて、専門家が考えることでしょ?」と思った方、ちょっと待ってください。実は、この考え方の基本は、あなたがすでに日々やっている「営業トーク」とまったく同じなのです。 

「誰でもいいから来てほしい」が一番伝わらない理由 

少し想像してみてください。あなたは飲食店に入ろうとしています。お店の入口に、こんな看板が貼ってありました。 

どちらが「自分のためのお店だ」と感じますか?おそらく、右のほうですよね。 

左の「みなさん大歓迎」は一見フレンドリーに聞こえますが、お客さまの立場からすると「私のことを言っているのかわからない」という感覚になってしまいます。結果として、誰の心にも刺さらないまま、サイトを閉じられてしまうのです。 

「絞ることへの恐怖」を感じる方は多いですが、ターゲットを絞っても、それ以外のお客さまが来なくなるわけではありません。むしろ「自分のことだ!」と感じた理想のお客様が増える、というのが正しいイメージです。

まずは「お客さまの顔」を一人思い浮かべてみよう 

ターゲットを絞ると言っても、いきなり難しく考える必要はありません。まずは、「今まで来てくれたお客さまの中で、一番うれしいと感じた方」を一人だけ思い浮かべてみましょう。 

「この方がもっとたくさんいてくれたら最高なのに……」そう感じるお客さまが、あなたにとっての理想のターゲットです。 

架空の「理想のお客さま」を作る、ペルソナ設定 

マーケティングの世界では、この「理想の顧客像」のことをペルソナと呼びます。難しい響きですが、要は「こんな人に来てほしい!」というイメージを、より具体的に描いたものです。 

たとえば、社員10名ほどの飲食店が「ランチタイムの新規のお客さまを増やしたい」とした場合、こんなペルソナが考えられます。

項目内容
名前(仮)佐藤美咲さん(38歳)
属性近隣在住の主婦。子どもが小学校に通っており、週2〜3日のパート勤務の合間に、ゆっくりランチを楽しむ時間を大切にしている。
来店のきっかけGoogleマップや口コミサイトで「子連れOK」「ランチ 静か」などと検索。ゆったり座れるか、子連れに優しいかを重視する。
悩み・不安「混んでいて落ち着けないのでは?」「子どもを連れていきにくいかも……」
HPを見るときスマホで昼前に検索。写真と価格が一目でわかるとうれしい。席の雰囲気がわかる写真があると安心する。

「佐藤美咲さん」という具体的な人物像が浮かぶと、「佐藤さんは子連れOKの記載を見てホッとするか?」「この写真を見て、静かにランチできそうだと感じてもらえるか?」という視点でページの内容を見直せるようになります。

やってみよう

今すぐ紙に書いてみましょう。「理想のお客さまの名前・年齢・状況・悩み」を箇条書きするだけでOKです。正解はありません。あなたが「こんな方に来てほしい」と思う人を自由に描いてください。 

お客さまの「頭の中の旅」に合わせてページを並べる 

ペルソナが決まったら、次はいよいよページの「構成」を考えます。 
ここで一つ、大切な視点をお伝えします。それは、ホームページは、お客さまが頭の中で行う旅に付き合うもの、だということです。 

その人が何かを検索し、あなたのホームページにたどり着くとき、頭の中はだいたいこんな順番で動いています。 

ステップお客様の状態ホームページが果たす役割
① 気づき 「困っていることがある」 共感のメッセージで「ここは私の話だ」と感じさせる 
② 情報収集 「解決方法はあるのか」 サービス・商品の説明でわかりやすく選択肢を示す 
③ 検討・比較 「この会社は信頼できるか」 実績・事例・担当者紹介で安心感を届ける 
④ 行動 「問い合わせてみようかな」 問い合わせのハードルを下げ、すぐ動ける導線を作る 

この流れに沿ってページを組み立てることが理想的な構成です。「気づき」の段階にいるお客様には共感のメッセージを、「検討」の段階には実績や安心感を——そうして一歩一歩、お客さまの旅に寄り添うのがホームページの役割です。 

構成例 : 社員10名の飲食店(ランチ強化)の場合 

トップページ : 「お子さま連れでも、ゆったりランチを楽しめるお店です」(佐藤さんの不安を最初に解消)

ランチメニューページ : 日替わりランチの写真・価格・ボリューム感を一目でわかるように掲載

店内・席の紹介ページ ソファ席・個室・駐車場など「子連れでも安心」な情報を写真つきで紹介

アクセス・予約ページ : 地図・駐車場情報・ネット予約ボタンを目立たせる(行動のハードルを下げる)

お知らせページ : 季節の限定ランチや平日特典などを定期発信(リピーター獲得) 

「自社の魅力」ではなく「お客さまのメリット」を書く 

ここが、多くの会社のホームページが陥りやすい最大の落とし穴です。ありがちな文章と、そうでない文章を比べてみましょう。 

よくある「自社目線」の文章お客さまに刺さる「顧客目線」の文章
当社は創業20年の実績を持ち、最新技術を駆使した高品質なサービスをご提供しております。突然のパソコントラブル、今日中に解決できます。20年間、地域の中小企業に寄り添ってきた経験で、あなたの困ったに最速でお答えします。

同じ「創業20年の実績」という情報でも、「それがお客さまにとって何を意味するのか」を書くかどうかで、受け取られ方がまったく変わります。 

書くときに使える3つの問いかけを紹介します。 

問いかけ内容活用例
① 「だから何?」と自問する 自社の特長を書いたら必ず問い直す 「高品質なサービス」→ 「お客さまの作業時間を○時間削減できる」 
② 「お客さまの言葉で書けているか?」 業界用語ではなく、お客さまが検索するときの生の言葉を使う 「CRM導入」→「顧客管理の手間をなくす」 
③ 「読み終えた後、何をしたいか?」 各ページの最後に次のアクションへの誘導を用意する ページ末尾に「無料相談はこちら」ボタンを設置 

まずは3ページから始める「最小構成」の考え方 

「ペルソナも分かった、お客さま目線も大事なのも分かった。でも、いきなり全ページ作り直すのはムリ……」 

そう感じた方、安心してください。まずはたった3ページを意識するところから始めましょう。 

最小構成「3ページの法則」 

① トップページ : 「誰のための会社か」が5秒で伝わるキャッチコピー+最も知ってほしい情報へのボタン 

② サービス・商品ページ : 「お客さまにとっての具体的なメリット」を中心に構成 

③ 問い合わせページ : 入力項目は最小限に。「まず相談するだけでいい」という安心感を添える 


この3ページが「お客さま目線」で整ったとき、ホームページは初めて「迎え入れる準備ができた状態」になります。その後は、お客さまからの質問や反応を見ながら、必要なページを少しずつ追加・改善していけばいいのです。 

「完璧なサイトを作ってから公開しよう」ではなく、「今できる最善の状態で公開し、反応を見ながら育てる」——これが第1回でお伝えした「ホームページを育てる」という考え方の実践です。 

まとめ:「誰に届けるか」を決めれば、書くべきことが見えてくる

今回は「誰に・何を・どう伝えるか」というホームページの構成(コンテンツ設計)について、飲食店の例を使いながら解説しました。ポイントを整理すると、次の通りです。

ポイント考え方やること
① ターゲットを絞る「誰でも歓迎」は誰にも届かない。理想のお客さまを一人具体的に描く。ペルソナ(お客さま像)を紙に書き出す
② お客さまの旅に付き合う気づき→情報収集→検討→行動の順に、お客さまの気持ちの流れに沿ってページを組み立てる。4つのステップを意識してページ構成を見直す
③ 顧客目線で書く「自社の魅力」より「お客さまにとってのメリット」を前面に出す。「だから何?」と自問しながら文章を書き直す
④ まず3ページから始める完璧を目指さず、トップ・サービス・問い合わせの3ページを整えることから始める。3ページのキャッチコピーとCTA(行動ボタン)を見直す

ホームページの「中身」は、一度作ったら終わりではありません。反応を見ながら、少しずつ磨いていくものです。まずは「理想の一人のお客さまの顔」を思い浮かべるところから、今日始めてみましょう。

今回は「誰に・何を・どう伝えるか」というホームページの構成(コンテンツ設計)についてご紹介しました。まずは「理想の一人のお客さまの顔」を思い浮かべることから始めてみてください。

ヤマダ
次回は、「身だしなみ(デザイン)と鮮度」のお話です。どんなに内容が良くても、見た目が古かったり情報が古かったりすると、お客さまは離れていってしまいます。「挫折しない更新ルーティン」の具体的な方法を、一緒に考えていきましょう! 
編集者 ヤマダ

株式会社KDDIウェブコミュニケーションズ 所属 / ウェブコムアカデミー 企画執筆

以前は「IT用語を聞くだけで頭が痛くなる」タイプでしたが、実務を通じてITの便利さに開眼。その経験から、同じようにITに苦手意識を持つ中小企業のビジネスパーソンへ、「超わかりやすい」情報を届けることをモットーに、記事作成に取り組んでいます。
特に、「安心安全なデジタルセキュリティ」や「AI活用」、「ITトレンド」に関する分野を注力して執筆しています。
記事を読んで「わかった!」「明日から使ってみよう」と感じていただけたら嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします!