こんにちは、ウェブコムアカデミーのヤマダです。
前回(第2回)では、「なんとなく」の運用を卒業するために、まずホームページのゴールを具体的に設定しましょう、というお話をしました。「お問い合わせを増やす」「採用エントリーを増やす」「サポートの手間を減らす」——どれか一つでも目標が定まった方は、大きな一歩です!
さて、ゴールが決まったら、次に考えるべきことがあります。それは、「誰に・何を・どう伝えるか」、つまりホームページの「中身=コンテンツ構成」です。
「コンテンツ構成なんて、専門家が考えることでしょ?」と思った方、ちょっと待ってください。実は、この考え方の基本は、あなたがすでに日々やっている「営業トーク」とまったく同じなのです。
目次INDEX
「誰でもいいから来てほしい」が一番伝わらない理由
少し想像してみてください。あなたは飲食店に入ろうとしています。お店の入口に、こんな看板が貼ってありました。

どちらが「自分のためのお店だ」と感じますか?おそらく、右のほうですよね。
左の「みなさん大歓迎」は一見フレンドリーに聞こえますが、お客さまの立場からすると「私のことを言っているのかわからない」という感覚になってしまいます。結果として、誰の心にも刺さらないまま、サイトを閉じられてしまうのです。
「絞ることへの恐怖」を感じる方は多いですが、ターゲットを絞っても、それ以外のお客さまが来なくなるわけではありません。むしろ「自分のことだ!」と感じた理想のお客様が増える、というのが正しいイメージです。
まずは「お客さまの顔」を一人思い浮かべてみよう
ターゲットを絞ると言っても、いきなり難しく考える必要はありません。まずは、「今まで来てくれたお客さまの中で、一番うれしいと感じた方」を一人だけ思い浮かべてみましょう。
「この方がもっとたくさんいてくれたら最高なのに……」そう感じるお客さまが、あなたにとっての理想のターゲットです。
架空の「理想のお客さま」を作る、ペルソナ設定
マーケティングの世界では、この「理想の顧客像」のことをペルソナと呼びます。難しい響きですが、要は「こんな人に来てほしい!」というイメージを、より具体的に描いたものです。
たとえば、社員10名ほどの飲食店が「ランチタイムの新規のお客さまを増やしたい」とした場合、こんなペルソナが考えられます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前(仮) | 佐藤美咲さん(38歳) |
| 属性 | 近隣在住の主婦。子どもが小学校に通っており、週2〜3日のパート勤務の合間に、ゆっくりランチを楽しむ時間を大切にしている。 |
| 来店のきっかけ | Googleマップや口コミサイトで「子連れOK」「ランチ 静か」などと検索。ゆったり座れるか、子連れに優しいかを重視する。 |
| 悩み・不安 | 「混んでいて落ち着けないのでは?」「子どもを連れていきにくいかも……」 |
| HPを見るとき | スマホで昼前に検索。写真と価格が一目でわかるとうれしい。席の雰囲気がわかる写真があると安心する。 |
「佐藤美咲さん」という具体的な人物像が浮かぶと、「佐藤さんは子連れOKの記載を見てホッとするか?」「この写真を見て、静かにランチできそうだと感じてもらえるか?」という視点でページの内容を見直せるようになります。

やってみよう!
今すぐ紙に書いてみましょう。「理想のお客さまの名前・年齢・状況・悩み」を箇条書きするだけでOKです。正解はありません。あなたが「こんな方に来てほしい」と思う人を自由に描いてください。
お客さまの「頭の中の旅」に合わせてページを並べる
ペルソナが決まったら、次はいよいよページの「構成」を考えます。
ここで一つ、大切な視点をお伝えします。それは、ホームページは、お客さまが頭の中で行う旅に付き合うもの、だということです。
その人が何かを検索し、あなたのホームページにたどり着くとき、頭の中はだいたいこんな順番で動いています。
| ステップ | お客様の状態 | ホームページが果たす役割 |
|---|---|---|
| ① 気づき | 「困っていることがある」 | 共感のメッセージで「ここは私の話だ」と感じさせる |
| ② 情報収集 | 「解決方法はあるのか」 | サービス・商品の説明でわかりやすく選択肢を示す |
| ③ 検討・比較 | 「この会社は信頼できるか」 | 実績・事例・担当者紹介で安心感を届ける |
| ④ 行動 | 「問い合わせてみようかな」 | 問い合わせのハードルを下げ、すぐ動ける導線を作る |
この流れに沿ってページを組み立てることが理想的な構成です。「気づき」の段階にいるお客様には共感のメッセージを、「検討」の段階には実績や安心感を——そうして一歩一歩、お客さまの旅に寄り添うのがホームページの役割です。
構成例 : 社員10名の飲食店(ランチ強化)の場合
トップページ : 「お子さま連れでも、ゆったりランチを楽しめるお店です」(佐藤さんの不安を最初に解消)
ランチメニューページ : 日替わりランチの写真・価格・ボリューム感を一目でわかるように掲載
店内・席の紹介ページ : ソファ席・個室・駐車場など「子連れでも安心」な情報を写真つきで紹介
アクセス・予約ページ : 地図・駐車場情報・ネット予約ボタンを目立たせる(行動のハードルを下げる)
お知らせページ : 季節の限定ランチや平日特典などを定期発信(リピーター獲得)
「自社の魅力」ではなく「お客さまのメリット」を書く
ここが、多くの会社のホームページが陥りやすい最大の落とし穴です。ありがちな文章と、そうでない文章を比べてみましょう。
| よくある「自社目線」の文章 | お客さまに刺さる「顧客目線」の文章 |
|---|---|
| 当社は創業20年の実績を持ち、最新技術を駆使した高品質なサービスをご提供しております。 | 突然のパソコントラブル、今日中に解決できます。20年間、地域の中小企業に寄り添ってきた経験で、あなたの困ったに最速でお答えします。 |
同じ「創業20年の実績」という情報でも、「それがお客さまにとって何を意味するのか」を書くかどうかで、受け取られ方がまったく変わります。
書くときに使える3つの問いかけを紹介します。
| 問いかけ | 内容 | 活用例 |
|---|---|---|
| ① 「だから何?」と自問する | 自社の特長を書いたら必ず問い直す | 「高品質なサービス」→ 「お客さまの作業時間を○時間削減できる」 |
| ② 「お客さまの言葉で書けているか?」 | 業界用語ではなく、お客さまが検索するときの生の言葉を使う | 「CRM導入」→「顧客管理の手間をなくす」 |
| ③ 「読み終えた後、何をしたいか?」 | 各ページの最後に次のアクションへの誘導を用意する | ページ末尾に「無料相談はこちら」ボタンを設置 |
まずは3ページから始める「最小構成」の考え方
「ペルソナも分かった、お客さま目線も大事なのも分かった。でも、いきなり全ページ作り直すのはムリ……」
そう感じた方、安心してください。まずはたった3ページを意識するところから始めましょう。
最小構成「3ページの法則」
① トップページ : 「誰のための会社か」が5秒で伝わるキャッチコピー+最も知ってほしい情報へのボタン
② サービス・商品ページ : 「お客さまにとっての具体的なメリット」を中心に構成
③ 問い合わせページ : 入力項目は最小限に。「まず相談するだけでいい」という安心感を添える
この3ページが「お客さま目線」で整ったとき、ホームページは初めて「迎え入れる準備ができた状態」になります。その後は、お客さまからの質問や反応を見ながら、必要なページを少しずつ追加・改善していけばいいのです。
「完璧なサイトを作ってから公開しよう」ではなく、「今できる最善の状態で公開し、反応を見ながら育てる」——これが第1回でお伝えした「ホームページを育てる」という考え方の実践です。
まとめ:「誰に届けるか」を決めれば、書くべきことが見えてくる
今回は「誰に・何を・どう伝えるか」というホームページの構成(コンテンツ設計)について、飲食店の例を使いながら解説しました。ポイントを整理すると、次の通りです。
| ポイント | 考え方 | やること |
|---|---|---|
| ① ターゲットを絞る | 「誰でも歓迎」は誰にも届かない。理想のお客さまを一人具体的に描く。 | ペルソナ(お客さま像)を紙に書き出す |
| ② お客さまの旅に付き合う | 気づき→情報収集→検討→行動の順に、お客さまの気持ちの流れに沿ってページを組み立てる。 | 4つのステップを意識してページ構成を見直す |
| ③ 顧客目線で書く | 「自社の魅力」より「お客さまにとってのメリット」を前面に出す。 | 「だから何?」と自問しながら文章を書き直す |
| ④ まず3ページから始める | 完璧を目指さず、トップ・サービス・問い合わせの3ページを整えることから始める。 | 3ページのキャッチコピーとCTA(行動ボタン)を見直す |
ホームページの「中身」は、一度作ったら終わりではありません。反応を見ながら、少しずつ磨いていくものです。まずは「理想の一人のお客さまの顔」を思い浮かべるところから、今日始めてみましょう。
今回は「誰に・何を・どう伝えるか」というホームページの構成(コンテンツ設計)についてご紹介しました。まずは「理想の一人のお客さまの顔」を思い浮かべることから始めてみてください。
- ヤマダ
- 次回は、「身だしなみ(デザイン)と鮮度」のお話です。どんなに内容が良くても、見た目が古かったり情報が古かったりすると、お客さまは離れていってしまいます。「挫折しない更新ルーティン」の具体的な方法を、一緒に考えていきましょう!