気がついたら詐欺に引っかかってしまった・・・とならないために、この記事では次のようなことが学べます。
- 近年横行しているネット詐欺
- 詐欺の見分け方
- 騙されないための5つのポイント
目次INDEX
『うっかり』が命取り!2025年に急増するフィッシング詐欺の見破り方と対処法
「会社のメールボックスに、銀行や大手通販サイトから『アカウントが停止します』というメールが届いたことはありませんか?」
ITが少し苦手な方や、日々忙しく働くビジネスパーソンにとって、メールやメッセージで送られてくる情報は、つい信じてしまいがちです。しかし、実はその「うっかり」が、あなたの会社やあなた自身の情報を盗み出すフィッシング詐欺の罠かもしれません。
近年、フィッシング詐欺の手口はますます巧妙化し、2025年に向けて、その被害は増加の一途をたどっています。かつてのような「怪しい日本語」のメールは減り、本物と見分けがつかないほど精巧な偽メールが増えているため、「自分は大丈夫」という油断は禁物です。
この記事では、「ウェブコムアカデミー」の専門家として、フィッシング詐欺がどんなものか、そして「難しくない!誰でもできる見破るコツ」と、万が一だまされてしまった時の「適切な対処法」を、平易な言葉で解説します。この記事を読んで、会社のセキュリティとあなた自身のデジタル生活を守りましょう。
なぜ今、フィッシング詐欺が増えているのか?その手口と危険性
フィッシング詐欺とは、銀行、クレジットカード会社、有名な通販サイトなどの実在する企業を装って、偽のメールやSMS(ショートメッセージ)を送りつけ、偽サイトに誘導してパスワードやクレジットカード情報などを入力させる手口のことです。
この詐欺が今、特に中小企業を狙って急増している背景には、主に以下の3つの理由があります。
1. 巧妙化する手口:生成AIで偽サイトの精度が向上
かつては日本語が不自然だったり、デザインが稚拙だったりする偽メールが多かったのですが、今は生成AI(人工知能)の進化により、日本語の文章が非常に自然になり、偽サイトのデザインも本物の企業サイトと見分けがつかないほど精巧になっています。これにより、警戒心の高い人でもだまされやすくなっています。
2. 増えるターゲット:「対策が手薄」な中小企業
サイバー犯罪者にとって、セキュリティ対策に多くのコストをかけられない中小企業は、大企業よりも狙いやすいターゲットになっています。会社の機密情報や顧客リストは、犯罪者にとって大きな「商品」になるため、「大企業だけが狙われる」というのは大きな間違いです。
3. 被害の深刻さ:情報漏洩だけでなく業務停止の恐れも
フィッシング詐欺でパスワードやIDが盗まれると、単に個人情報が流出するだけでなく、会社のシステムに不正侵入され、業務停止に追い込まれたり、金銭的な被害を受けたりする可能性があります。これは、会社の信用を失うことにも直結します。
【最新事例】知っておきたい2025年の新たなフィッシング詐欺
2025年に向けて、特に気を付けたいフィッシング詐欺の具体的な事例をご紹介します。
1. 生成AIで精巧になった「なりすましメール」にご注意
これまで以上に、社長や上司、取引先になりすますメールが増えています。
「至急、添付の資料を確認し、対応してください」といった業務に関わる内容で送られてくるため、つい「会社の業務メールだ」と思い込んでしまいがちです。差出人の名前は本物でも、メールアドレスをよく見ると、普段使っているものと一文字だけ違っていたり、全く関係のないドメイン(@以降の文字)になっていたりします。

2. SMS(ショートメッセージ)を使った「スミッシング」詐欺
携帯電話のSMS機能を使った詐欺を「スミッシング」と呼びます。
「【重要】お荷物のお届け状況をご確認ください」と宅配業者を装ったり、「〇〇銀行です。セキュリティの再設定が必要です」と金融機関を装ったりする手口が主流です。メッセージ内のURLをクリックすると、個人情報を盗み取るための偽サイトに誘導されます。
3. 「緊急」「至急」で冷静さを奪う手口
すべてのフィッシング詐欺に共通するのは、読者を焦らせる文言を使うことです。
- 「アカウントが24時間以内に停止します」
- 「今すぐ支払いを完了しないと注文がキャンセルされます」
- 「不正アクセスを検知しました。すぐにパスワードを変更してください」
人は急かされると冷静な判断ができなくなります。このような「緊急性」を強く訴えるメッセージは、詐欺を疑う最大のサインだと覚えておきましょう。
【見破るコツ5選】だまされないためにチェックすべきポイント
フィッシング詐欺を見破るためのチェックポイントは、決して難しくありません。「立ち止まって確認する」という簡単な習慣さえあれば、多くの詐欺を防げます。
1. 送信元アドレスを必ず確認する
メール本文ではなく、送信元として表示されているメールアドレス全体を確認しましょう。
- 怪しいパターン: 「Amazon」に見えて、実は「Amozom」など、一文字だけ違う。または「@amazon.co.jp」ではなく、「@***.secure-info.jp」など、全く関係のないドメインを使っている。
2. メール内のURLはクリックせずに確認する
本文中に記載されているリンクは、クリックする前にどこに飛ぶかを確認してください。
- パソコンの場合: リンクの上にマウスカーソルを乗せる(クリックしない)と、画面の下や隅に本当のURLが表示されます。
- スマートフォンの場合: リンク部分を長押しすると、遷移先のURLが表示されます。
- 正しいURL(例): https://www.〇〇〇.co.jp/ のように、正式な企業名が入っているか確認しましょう。
3. 「緊急」「至急」の文言に惑わされない
前述の通り、あなたを焦らせるメッセージは、冷静な判断力を奪うための手口です。「まずは落ち着く」ことを最優先にしてください。
もし本当に緊急なら、メールではなく電話や公式アプリなどで連絡が来るのが一般的です。
4. 個人情報やパスワードの入力を求めているか確認する
銀行や大手企業が、メールであなたのパスワードやクレジットカード情報、暗証番号などの機密情報をいきなり入力させることは、ほぼありません。
「セキュリティ強化のため」といった理由で入力を求められたら、いったんそのメールは閉じ、ブックマークなどから正式なサイトにアクセスし直して確認しましょう。
5. 不自然な日本語や違和感がないか確認する
いくら生成AIが進化しても、完璧ではない場合があります。また、企業のロゴやデザインに違和感がないか、全体的なトーンが普段受け取るメールと異なっていないか、最終チェックを行いましょう。

もし「うっかり」クリック・入力してしまった場合の対処法
どんなに気を付けていても、「うっかり」ミスは起こりえます。万が一、フィッシング詐欺のリンクをクリックしたり、情報を入力してしまったりした場合でも、焦らず、迅速に行動すれば被害を最小限に抑えられます。
1. すぐにパスワードを変更する
偽サイトでパスワードを入力してしまった場合、すぐに本物のサービスにログインし、パスワードを変更してください。もし、そのパスワードを他のサービス(会社のシステム、他の通販サイトなど)でも使い回している場合は、それらのサービスすべてのパスワードも即座に変更しましょう。
2. 会社のシステム管理者に報告する
会社で使用しているメールアドレスやシステムに関する情報を入力してしまった場合は、すぐに上司やシステム管理者(情報システム部門など)に報告してください。これにより、会社全体の被害拡大を防ぐための対策を迅速に行うことができます。
3. 金融機関やクレジットカード会社に連絡する
クレジットカード情報や銀行の口座情報を入力してしまった場合は、すぐに該当する金融機関やカード会社の緊急連絡先に電話し、利用停止の手続きを取りましょう。
油断せず、セキュリティの基本を見直しましょう
フィッシング詐欺は、年々手口が巧妙化しており、もはや「他人事」ではありません。しかし、この記事でご紹介した「立ち止まって確認する習慣」を身につけるだけで、だまされるリスクは大きく減らすことができます。
今日から以下の2点を心がけましょう。
- 「緊急」「至急」に惑わされない:焦らせるメッセージは、一旦疑う。
- 「送信元アドレス」と「リンク先URL」を必ず確認:クリックする前に、本物かどうかチェックする。
- 編集部ヤマダ
- ウェブコムアカデミーでは、難しくないセキュリティ対策の基本から、日々の業務に役立つIT情報まで、幅広く発信しています。ぜひ他の記事もご活用いただき、安心で安全なデジタル生活を送ってくださいね